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卵巣癌癌性腹水

卵巣癌癌性腹水

女性。前医にて「原発不明の癌性腹水、予後不良」と診断され来院。前医婦人科で「卵巣癌なし」とされていた。癌性腹水に対する免疫療法 (OK-AIT) による腹水消失後開腹、大腸に浸潤した「卵巣癌肉腫」を切除、更に化学療法を追加し、術後10年無病生存中。図の矢印は腹水を示す。

注:上記の患者様は免疫療法にて容易に腹水が消失しましたが、肝転移のある患者様の中には、腹水中癌細胞が消失しても腹水が貯留する方があります。腹水を抜くことを繰り返すと、血中のタンパクが減少し、更に貯まり易くなりますので、抜去した腹水中のタンパク質を濃縮し、再び静注する方法(腹水濃縮還元:CART)が有用です。当院は器械を常備しており、必要時外来にて実施可能。

再発卵巣癌 治療後生存率

卵巣癌の転移は腹膜・胸膜に起こる頻度が高く、腹水・胸水に対するOK-AITがしばしば有用です。しかし癌性腹水が消失した後も消化管の通過障害を防ぐ ため、化学療法をはじめとする全身的治療が不可欠です。菅クリニックでの免疫療法を経て、或いは直接、比叡病院で治療した転移・再発卵巣癌患者さんは最近 5年間では計21例ですが、うち16例は前医での治療経過不良の後来院された方ですので、決して予後良好とはいえません。それでも来院後の全例の平均 (50%)生存期間は20ヶ月、5年生存率は17.7%であり、(下図「比叡病院受診後の再発・転移卵巣癌例の生存曲線」参照)化学療法の他にアバスチン、アービタックス等の分子標的剤、切除標本の免疫染色の結果適合すればホルモン剤、などを上手に組み合わせて用いれば、更なる成績向上が期待されます。 

外科医として、卵巣癌との診断後あるいはその再発後、「すぐに来院」とはおすすめしませんが、胸水・腹水が指摘された患者さんは早めの「セカンドオピニオン」受診をお勧めします。

卵巣癌生存曲線

全21例、うち17例に胸水、腹水、肝(動脈)いずれかに対する局所養子免疫療法(OK-AIT)が行われています。(2008年6月集計、全て比叡病院治療例うち初治療は4例のみ)